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光源氏の最愛の妻「紫の上(むらさきのうえ)」

紫の上(むらさきのうえ)は、光源氏に理想の女性となるよう育てられ、そして亡くなるまで最も愛された女性です。

こんにちは。京都にて、檜(ひのき)の木製御朱印帳やオリジナルの御朱印帳、当社が考案した「ご祈願帳」、御朱印帳の和紙に新たな命を吹き込んだ「和紙香(かみこう)」「和紙華(かみか)」、御朱印帳バンドやしおりなどの和雑貨を制作している「工房沙彩(こうぼうさあや)」です。

ご来店いただき、ありがとうございます。

源氏物語

「源氏物語」で登場する女性たちをご紹介シリーズ

五人目は「紫の上(むらさきのうえ)」です。

その前に、作者「紫式部(むらさきしきぶ)」の名前についてお話します。

当時の女性の名前は、家族以外には知らされていないことは、前にも書きました。

紫式部も、本名はわかりません(「香子」という説はあります)。

ちなみに、NHK大河ドラマ「光る君へ」では「まひろ」となっていますが、これは制作者の方が名付けたそうです。

宮中に奉仕をしていた時は「藤式部(とうのしきぶ)」と呼ばれていました。これは、父・藤原為時(ふじわらためとき)の「藤」と、その父の官位の「式部」から、そのように呼ばれたようです。

ちなみに「清少納言(せいしょうなごん)」も、、父・清原元輔(きよはらもとすけ)の「清」と、その父の官位の「少納言」から、そのように呼ばれていました。

そして今回ご紹介する「紫の上」に由来して、後に紫式部と呼ばれるようになったと考えられています。

 

紫の上は、光源氏と過ちをおかした「藤壺(ふじつぼ)」の姪です。

藤壺に関しては、別に書いておりますので、読み返していただければ幸いです。

生涯、罪を背負って生きた「藤壺(ふじつぼ)」(1)

生涯、罪を背負って生きた「藤壺(ふじつぼ)」(2)

父は藤壺の兄でしたが、母は正妻ではなく、生まれてすぐに亡くなったため、母方の実家で祖母に育てられました。

光源氏が18歳の時、あまりに藤壺に似た、この少女(当時10歳)に惹かれ、祖母が亡くなった際に、家に引き取ります。

(というより、ほぼ略奪でした(汗…))

そして理想の女性に育て上げていきます。

亡くなった正妻「葵の上(あおいのうえ)」の忌みが明け、久しぶりに家に戻った光源氏は、紫の上を見て

かの心尽くしきこゆる人に、違ふところなくなりゆくかな

「ホンマ、藤壺にそっくりになったわ」と、嬉しくなります。

そして紫の上に、自分との「結婚」をにおわせますが、14歳の彼女には一向に伝わりません。そのため、

思し放ちたる年月こそ、たださるかたのらうたさのみはありつれ、しのびがたくなりて、心苦しけれど、いかがありけむ

「子供の頃は可愛いだけやったけど、もう我慢できひん! 悪いけど…」と(無理やり?!)手を出してしまいます。

一夜が明け、紫の上は起きることができませんでした。

「かかる御心おはすらむ」とは、かけても思し寄らざりしかば、「などてかう心憂かりける御心を、うらなく頼もしきものに思ひきこえけむ」と、あさましう思さる」

光源氏にそんな下心があったと思ってもいなかった紫の上は「なんであんなヤツ、信じてきたんやろ」と悔しがります。

おまけに、翌日通ってきた光源氏に「具合が悪いんやって?」「そんなつれない態度を取るんやったら、もう来うへんで」など、能天気に言われます。

(ホンマ、腹立つわ!)

その後、光源氏は、密かに育ててきた紫の上を、世間に公表しなければと思い、裳着(もぎ:女性の成人式 これを行わないと結婚ができない)の用意をしますが、紫の上は、まだ光源氏を許すことができません。

「年ごろよろづに頼みきこえて、まつはしきこえけるこそ、あさましき心なりけれ」と、悔しうのみ思して、さやかにも見合はせたてまつりたまはず、聞こえ戯れたまふも、苦しうわりなきものに思しむすぼほれて、ありしにもあらずなりたまへる御ありさま

「小さい時から、あんなヤツを信じてそばにいた自分が悪かったんや」と悔やみ、目も合わさず、冗談を言われても、うっとおしいだけで、以前のようには接することはできませんでした。

(そらそうやろ)

ただ、能天気な光源氏は

年ごろ、思ひきこえし本意なく、馴れはまさらぬ御けしきの、心憂きこと

「長い間、大事にしてきたのに、そんな態度とられると、つらいわ」と伝えますが、内心「そんなところも可愛いわ」と余裕を見せるのでした。

(あかん! めっちゃ腹立つ!)

まあ、結局は許して、仲の良い夫婦になるんですけどね。

そして、浮気癖のある光源氏との、苦悩連続の結婚生活が、始まるのでした…

※ 表記中、太文字と斜め書きになっている箇所は、原文から引用しました。

 

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