1. HOME
  2. ブログ
  3. その他のこと
  4. 光源氏の最初の妻「葵の上(あおいのうえ)」

光源氏の最初の妻「葵の上(あおいのうえ)」

葵の上(あおいのうえ)は、光源氏の最初の正妻でありながら、そのプライドゆえ打ち解けられず、最後は生霊(いきりょう)に取りつかれてしまう女性です。

こんにちは。京都にて、檜(ひのき)の木製御朱印帳やオリジナルの御朱印帳、当社が考案した「ご祈願帳」、御朱印帳の和紙に新たな命を吹き込んだ「和紙香(かみこう)」「和紙華(かみか)」、御朱印帳バンドやしおりなどの和雑貨を制作している「工房沙彩(こうぼうさあや)」です。

ご来店いただき、ありがとうございます。

源氏物語

「源氏物語」で登場する女性たちをご紹介シリーズ

三人目は「葵の上(あおいのうえ)」です。

その前に、当時の貴族の身分制度についてお話します。

当時の貴族は「位階(いかい)」と呼ばれる階級によって、序列が示されていました。

一番上が「正一位(しょういちい)」。次が「従一位(じゅいちい)」「正二位(しょうにい)」「従二位(じゅにい)」と続き、30階までありました。

その位階によって官職が決められており、位階が上がるたび(昇級するたび)官職も上がっていきます(出世ですね)。

官職は一番上が「太政大臣(だいじょうだいじん)」、そして「左大臣(さだいじん)」「右大臣(うだいじん)」「内大臣(ないだいじん)」「大納言(だいなごん)」「中納言(ちゅうなごん)」… と続きます。

源氏物語では、登場人物が出世するたび呼び方が変わるので、誰が誰だかわからなくなくなります(笑)。

(基本的には、登場人物はほぼ官職名で記されています)

「出世のため、天皇やその皇子に娘を嫁がせる」、逆に「天皇家が存続するよう、権力者の家に娘を嫁がせる」というのは、当時お決まりの手法で、葵の上も同様でした。

 

葵の上は、時の左大臣の娘です。

桐壺天皇と左大臣の両方の希望が合致し、光源氏の元服と同時に、結婚となりました。

当時、光源氏12歳、葵の上16歳。

葵の上は「いと若うおはすれば、似げなく恥づかしと思いたり」

「ちょっと私の旦那になるには若すぎひん? ホンマに似合ってる? 無理かも」って感じでしょうか。

そもそも、桐壺天皇の長男(後の朱雀天皇)と結婚する予定で、大切に育てられたお嬢さまの葵の上には、幼い光源氏とどう接したらいいのか、わからなかったのでしょうね。

また、光源氏も

いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、心にもつかず

「いい人みたいやけど、興味ないわ」と、当時恋焦がれていた藤壺しか、頭にありませんでした。

年月が経っても葵の上と逢うことをためらい、他の女性と遊んだり、幼女(後の紫の上)を引き取ったりしたため、葵の上のプライドは傷つき、ますます二人の距離は離れていきます。

ある日、光源氏が病み上がり後、久々に逢いに行った時も、葵の上はそっけない態度だったため

世とともにはしたなき御もてなしを、もし、思し直る折もやと、とざまかうさまに試みきこゆるほど、いとど思ほしうとむなめりかし

「こっちはずっと機嫌とる努力してんのに、なんやねん!」と逆切れしてしまいます。

そんな二人でしたが、ようやく葵の上は妊娠をします。

そして、その後に起こった事件(次回書きますね)をきっかけに、光源氏を愛するあまり、生霊となった女性に取りつかれ、出産後に急死してしまいます。

などて、つひにはおのづから見直したまひてむと、のどかに思ひて、なほざりのすさびにつけても、つらしとおぼえられたてまつりけむ

光源氏は「いつかはわかってくれると思って遊びまくってたけど、ホンマは辛かったんやろなあ」と思いやるのでした。

(遅いっちゅうの!)

時に、光源氏22歳、葵の上26歳でした。

※ 表記中、太文字と斜め書きになっている箇所は、原文から引用しました。

 

工房沙彩では、2024年大河ドラマ「光る君へ」をイメージした、御朱印帳と和紙ファイルを販売しております。

よろしければ、ショップで確認してみてくださいね。

関連記事