愛するあまり生霊に!?「六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)」(2)
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)は、光源氏を愛するあまり、生霊(いきりょう)そして死霊(しりょう)になってしまう女性です。
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「源氏物語」で登場する女性たちをご紹介シリーズ
前回に引き続き「六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)」です。
愛するあまり生霊に!?「六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)」(1)
その前に、当時の貴族の結婚についてお話します。
当時の貴族の恋愛事情については、前回お話しをしました。
手紙(和歌)が続き、いい感じになると、男性が女性の家を訪ね、恋愛成立となりましたよね。
そして、三日続けて通うと、女性側が用意をした「三日世(みかよ)の餅」を食べ、結婚成立となったそうです。
「結婚」と簡単に書きましたが、当時は「一夫多妻制」。
とはいえ、実際の正妻は一人で、あとは「愛人」のようなものでした。
そもそも上流貴族ともなると、親同士が決めた政略結婚が主流で、その相手が「正妻」となります。
(結婚の順番は関係なし!です)
正妻は親のバックアップもあり、一目置かれますが、愛人は、ただひたすら男性が通うのを待つしかありませんでした。
それも結婚… なんだか切ないですね…
さて、祭の出来事から、葵の上への怨念が芽生えた六条御息所ですが、
「起き臥し思しわづらふけにや、御心地も浮きたるやうに思されて、悩ましうしたまふ」
光源氏のことや、自身に対する世間の噂(うわさ)を気にして、寝ても覚めても思い煩い、体調を崩してしまいます。
その光源氏からも「伊勢にいかんといて」と言われず、訪れない理由を「葵の上が妊娠して体調崩してるし」と言い訳ばかりなので、余計に
「浅みにや人はおりたつわが方は身もそぼほつまで深き恋路を」
「あんたは浅い所におるけど、私は全身ずぶ濡れになるくらい深い恋路にハマってるんやで」と手紙を送ります。
(もう、ドロドロ! 諦めきれない女心やねぇ)
そのころ、妊娠中の葵の上は、物の怪(もののけ:生霊や死霊)に取りつかれ、苦しんでいました。
人々は、光源氏の愛人の仕業では…と疑い、六条御息所の名があがります。
「すこしうちまどろみたまふ夢には、かの姫君とおぼしき人の、いときよらにてある所に行きて、 とかく引きまさぐり、うつつにも似ず、たけくいかきひたぶる心出で来て、うちかなぐるなど見えたまふこと、度かさなりにけり」
六条御息所も「そういえば、葵の上のそばに行って、嫌がることをした夢を、何度も見たわ」
と、自身が生霊となって葵の上を苦しませていることに気付きます。
そして、とうとう光源氏が見舞いに来ている時に、葵の上に乗り移ってしまい、バレてしまいます。
その後、葵の上は無事出産をしますが、しばらくして亡くなってしまいます。
(葵の上に関しては、前のブログを読んでみてください)
さて、その後の六条御息所は? そして光源氏はどうするのでしょうか。続きは次回です。
※ 表記中、太文字と斜め書きになっている箇所は、原文から引用しました。
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